菌類・カビは主に水のよごれの原因になります。しかし、単なるよごれではなく、魚が感染して病気になったり、魚の体表に寄生したりすることもあり、やっかいです。
バクテリア
一口に「バクテリア」といっても、すべてが悪者というわけではありません。のちに取り上げますが、「水を浄化する必要不可欠なバクテリア」もいるのです。
しかし、そうではない、水や魚に害をあたえるバクテリアもあります。エロモナスやカラムナリスなどが、よく発生する有害なバクテリアです。一見きれいに見える水にも生息していることがあるので、やっかいです。
エロモナス
正しくは「エロモナス・ハイドロフィラ」といい、魚に感染して鰭赤病、立鱗病(松かさ病)、赤斑病などの敗血症を引き起こします。
・鰭赤病
鰭(ヒレ)が赤くなる、体表が赤くなる、肝臓がうっ血する、腎臓が腫れる、腸管が赤くなる……などの症状があらわれます。
・立鱗病
「松かさ病」の名のとおり、うろこが松かさのように逆立ちます。内出血、眼球がはみ出す、腸管の炎症などの症状があらわれます。
・赤斑病
身体やヒレの皮下出血が見られます。
アンモニアや亜硝酸塩がすくない、良好な水質を保つことが大切です。また、イカリムシやウオジラミといった寄生虫が発生していると感染リスクが高まるので、殺虫剤や甲殻脱皮抑制剤を使って除去します。水温の高い季節にはとくに注意しましょう。
合成抗菌剤のオキソリン酸を使った薬浴を行います。塩も少し入れると効果的です。部分的な症状に対しては、メチレンブルー、マラカイトグリーン、過酸化水素、マーキュロクロムなどによる薬浴で局所治療します。
カラムナリス・バクテリアFlavobacterium columnareの感染により引き起こされる病気です。口ぐされ、ヒレぐされ、尾ぐされ、エラぐされといった症状があらわれます。病変部をしらべると、バクテリアの柱状の構造(Column)が見られることから名付けられました。
治療は塩による薬浴で行います。