水槽のメンテナンスについて

水カビについて

真菌類であるカビもアクアリウムの水を汚染します。よく見られるのは水中の白いモヤモヤ、「水カビ」です。白いワタのようなコロニーをつくり、底砂や水草、流木にからみつきます。
魚の身体にも寄生して「水カビ病」を起こします。
 
  • 水カビの発生原因
水カビが発生する最大の要因は「水の富栄養化」です。真菌は有機物をエサとして分解しながら繁殖します。「富栄養化」とは、水中に有機物が増えすぎてしまう状態です。
 
  • エサの食べ残し
パンの食べ残しをテーブルのうえに放置しておけば、いずれカビが生えます。それと同じことで、魚にやったエサの食べ残しが水中にとどまっていれば、カビの温床になります。
エサのやりすぎに注意し、食べ残しは水中から取りのぞくようにしましょう。
 
  • ろ過が不十分
エサ以外にも、枯れた水草、魚のフンなどの有機物があります。食べ残したエサも含めて、ろ過装置(フィルター)が除去するようになっていますが、このろ過活動が足りていないと水カビが発生しやすくなります。
アクアリウムの水槽の大きさに対して、十分なパワーをもつろ過装置を付けるようにしましょう。
 
  • 水流がとどこおっている場所
水槽全体にまんべんなく水流が行きとどかず、水流がとどこおっている場所があると、そこにエサの食べ残しやフンなどがたまってしまい、水カビが生えてしまうことがあります。
 
  • 流木はカビがつきやすい
流木も枯れた植物ですので、カビのエサになりえます。煮沸して十分にアク抜きしてあればカビがつきにくくなりますが、足りていないとカビます。
 
水カビの予防
水の富栄養化が最大の発生原因ですから、エサのやりすぎに気をつけましょう。10分ほどで食べきる量にします。10分で食べきらないようなら、エサの量を減らしましょう。
水温が不安定だと魚の体調も変わり、エサを食べ残しやすくなるので、水温を安定させることも有効です。水温の不安定は、水草を枯れやすくしてしまうこともあります。水温を安定させましょう。
食べ残しは水中に放置せず、取りのぞきましょう。
また、ろ過装置は定期的にメンテナンスしましょう。フィルターは使っているうちに目づまりを起こすこともあります。十分にそうじするようにしましょう。ただし、カルキを含んだ水道水ですすがないようにします。水をきれいにするバクテリアが死なないようにするためです。
十分にパワフルなろ過装置を使い、水槽内に水のよどんだところができないように水草や流木のレイアウトをくふうしましょう。
 
流木についた水カビの対処法
つづいて流木に水カビが生えてしまった場合の対処法です。
いちばんいいのは流木を「煮沸すること」です。ふっとうした湯でぐらぐら煮立てるのです。さらに、カルキを含んだ水道水に何日かさらしておくと効果的です。
ただし、こうしますと活着した水草も死んでしまいます。ふたたび活着するまでにはかなり長い時間を要します。
 
  • ブラシでカビを落とす
水草を温存したい場合は、ブラシなどで水カビや水草の枯れた部分を徹底的に落としましょう。そのうえで、飼育水ではなく水道水でしっかり洗います。水道水は殺菌成分のカルキを含んでいるため、真菌に対する抗菌力があります。そして水草までは殺しません。
水道水で洗った流木を水槽にもどすときには、エビなどカルキに弱いものを飼育している場合はとくに、飼育水などですすいでからもどしましょう。
 
  • 水換えの頻度を上げる
富栄養化に対抗するもっとも効果的な方法は「水換え」です。富栄養化した水そのものを排出するのですから、当然です。しっかりカルキ抜きをした水道水なら安全です。水換えの頻度を上げると、カビの発生はかなり抑えられます。
 
  • ヤマトヌマエビに食べてもらう
 ヤマトヌマエビは水カビやコケを食べてくれますので、数匹、水槽でいっしょに飼うのも良い方法です。
 
水カビ病の治療
魚にカビがついてしまった状態は「水カビ病」です。体表の粘膜が弱ったり、免疫が弱ったりすると起こります。
魚が水カビ病になったら、ピンセットやスポイトで水カビを除去し、メチレンブルーなどの抗菌剤で薬浴して治療します。同時に0.3~0.5%の塩も加えてやると効果が上がります。

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